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被災者のため? 仏像購入詐欺にご注意を

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「被災者のため仏像購入を」 詐欺的行為、昨年度の2倍(産経新聞)−Yahoo!ニュース

東日本大震災後に、「被災者らのためになる」と真偽不明の話を持ちかけられ、高額の仏像を買わされるケースが、全国で相次いでいるそうです。「国民生活センター」などから話が出ているとのこと。

今回の悪質さは、購入の勧誘後に、別の業者から「2倍の高値で買い取る」といった電話がかかってくるケースも多いようで、売りつける側と買い取りを申し出る偽装業者が結託して詐欺的行為に及んでいる疑いが強いと報道されています。

或る女性などは、「被災者のためになる」と思って、1体約100万円の仏像を3体購入し、計約300万円を指定口座に振り込んだそうです。しかし、その後も勧誘が続き、この女性は追加で4体を計約400万円で購入するなどしたため、不審に思った娘が「詐欺では」と同センターに相談しています。

詐欺でしょうね。

複数の人物や会社が次々と登場して役割を演じ、消費者を信じ込ませる手口は「劇場型」と呼ばれ、高齢者を狙った振り込め詐欺でも多く用いられると報道されています。ほかにも、断っているのに仏像を郵送して強引に代金の支払いを求める「送りつけ」や、「水子供養をしないと罰が当たる」などと不安をあおる、霊感商法型の詐欺もあるようです。

何とも悪質ですね。しかも、その詐欺の道具に仏像を使うなんてのは、もってのほかであります。

しかし、我々も注意しなくてはなりません。何故ならば、仏像勧誘をめぐるトラブルは、奈良・興福寺の阿修羅像などを展示した「国宝 阿修羅展」が東京都内で開催され、仏像人気が高まった平成21年ごろから増え始めているためです。要は、需要があるということなのです。それに、詐欺師は付け込みます。

これが、東日本大震災後にさらに増加したとのことです。しかも、「仏像は高い」というイメージがあるためか、1回の被害額も大きく、平均被害額は120万円超とのことです。

仏像を作り、それをお祀りすることには明らかな功徳があります。それは疑いようもないのですが、勘違いしてはならないのは、今回のような方法では、功徳にはならないということです。仏像は、値段が問題なのではなく、心を込めてお祀りすることが肝心です。こういう言葉があります。

又、一生のうちに、仏をつくりたてまつらんと、いとなむべし。つくりたてまつりては、三種の供養、したてまつるべし。三種とは、草座・石蜜漿・然燈なり。これを、くやうしたてまつるべし。
    『正法眼蔵』「仏道(道心)」巻

道元禅師(1200〜1253)もこのように仰っていますが、一生の間に、仏を作ろうと営むべきだといっています。よって、詐欺には耳を貸さず、皆さんが、自分で大切だと思える仏像(これを念持仏といいます)をいただくようにして下さい。

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