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拙寺会場 2010年度子ども坐禅会

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毎年、このお盆を前の時期に行われる「子ども坐禅会」が、地元宮城県栗原市の「教育センター」への協力という形で開催されました。情操教育の補完という意味合いです。なお、いうまでも無いことだと思いますが、当然に寺側では一切の謝礼をいただかず、ボランティアとして協力しています。

その関係で、一泊二日などにすると、こちらの準備も大変なので、拙寺では約半日の日程になる坐禅会を行っています。開催は、今年で4回目になると思いますが、毎年数名から十数名の参加者がいて、拙僧どもも楽しく修行しております。とりあえず、どのような様子で行われたかを写真を通してご覧ください。あ、お一人外国人女性が参加していますが、地元の小・中学校に英語の先生として赴任された方です。アメリカはコロラド州デンバーからお見えになったということですが、こんな辺鄙なところにお疲れ様です。



9時15分開始。まずは、会場となる場所の説明です。なかなかお寺の本堂に入る機会も少なく、家族・親戚の葬儀・法事で入っても、黙って坐っていなくてはならない子供たちに、木魚や鐘を実際に触らせ鳴らしてもらい、その意味なども説明しました。天井画や襖絵の説明もしています。地獄・極楽図は毎年受けが良いのですが、今年は「オレ、どっちさ行ぐの?」と聞く少年・・・とりあえず極楽行けるように頑張れ!!



9時半からは坐禅になります。初めての子どもも多かったのですが、結構低学年の子どもが多かったので、余りちゃんとしてもどうしようもなかったこともありますが、坐禅をしてもらいました。同じ市内で、別の曹洞宗寺院でも一泊二日の坐禅会をしており、そちらにも参加された子どももいて、その子の坐禅は中々のものでした。最初は落ち付きの無かった子供たちも、周囲の保護者の方も一緒に坐禅をすると、その雰囲気に押されて、徐々に落ち着いていくというのが、毎年行っていて思う実感です。今年もそうでした。また、一応警策の用意はしていますが、入れてしまうと場が逆に混乱してしまうので、今年も使わずにおりました。



終わった後には、ちょっとお話しをしました。それは、よくよく自分自身をコントロールすることと、心を落ち着けるためには、実は身体がまず落ち着かねばならないことなどを説明し、今後も身体をジッと止めて、落ち着く時間を作ってくれるようにお願いしています。



約30分坐り、続きは作務になります。例年通り、本堂の濡れ縁や観音堂の水拭きと、雑草取りです。まぁ、日本の小学校では、集団清掃を取り入れている場合がほとんどらしいので、小学生が中心だった坐禅会では今更感はありますが、楽しんで掃除をしていただければ良いのです。水拭きの様子です。もうほとんど遊びに近い状況に・・・



こちらは雑草取りです。雑草は煩悩だから、頑張って抜こうねといったものの、受けたのは保護者だけ。いつも思いますが、子ども相手の話は、その方法も内容も、もっと考えられて良いと思うんですよね。まぁ、或る意味宗教性を「脱臭」し尽くして、何も無いようじゃお寺まで来て貰う意味が無いし、かといって難しい話は本当に難しいので、その辺は出来ません。この後、食事になるのですが、食事の時にも子ども相手に「五観の偈」を使ってもね・・・

作務は約1時間で終わり、食事になるまでしばし休憩。さすがの栗原市でも、30度を超える真夏日でしたので、あまりに長時間の作務になると熱中症の危険性もありますから、その辺は慎重に修行したいところです。もちろん、今日は誰も具合悪くなることなく元気にお帰りになりました。なお、食事は、地元でこういうイベントなどに食事を作るボランティアをする女性の方々に手伝っていただき、おこわや味噌汁など大変に美味しい精進料理をいただきました。終わった後、自己紹介を兼ねて感想を聞いたところ、味噌汁の評判は上々でございました。

また、食事の前後にはちょっとだけお話しもしました。それは、「いただきます」「ごちそうさま」の意味についてのお話です。どうしても、ただお腹が空いたから食べるという状況に於いては、自分のためだけに食事が行われてしまい、作ってくれた人々への感謝の想いが出て来ません。一部では、給食の機会などに、お金を払っているのだから、よって、「いただきます」などは不要と述べるアホ保護者がいると聞きますが、愚論も極まっていますね。それぞれの言葉が、あくまでも作ってくれた人への御礼なのだから、今食事がいただけることに感謝するように諭しています。

ということで、約半日で終わる楽な坐禅会ですけれども、これくらいなら、準備する側も、参加する側もそれほどに苦労しなくても済むので、大丈夫であると思う次第です。小中学生や、拙寺の檀家さんの多くを占める農家は、この時期も忙しいですからね。その辺も、サラリーマンだけで成り立つであろう都会にある寺院と同じように運営されて良いとは思いません。最近では、そのような檀信徒層の違いなどを考慮せずに行われる議論が多く見えるので、拙僧は不満に感じています。気を付けたいところです。

年々子どもが減る中で、参加者を集めるだけでも大変になっているそうですが、無理せず、拙僧としては1人からでも指導は出来ますから、是非、気軽に続けていただきたいものだと思う次第です。参加された皆さま、主催していただいた教育センターの皆さま、お暑い中大変にお疲れ様でした。

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