良寛禅師一口戒語（その３１）

良寛さんが、たった一口で日常生活や仏道修行で足りないところを言い当てる、それがこの「一口戒語」。

上のうはさ。

この場合の「うはさ」は「うわさ」のことです。では、「上」についてはどう理解すれば良いのでしょうか。「上」という一字には様々な意味があります。それこそ「身の上」という意味もあって、噂の対象だと考えれば、それかとも思うのですが、ここでは「高貴な身分の人」という意味合いで採っても良さそうです。要するに、良寛さんの身の回りにいた人が、其の土地の領主などについて、色々と語るということです。無論、他愛もないようなことなら、大したことにはならないでしょうが、場合によっては大事になったかもしれず、また、人の醜聞などは聞いていて、その時は楽しい人もいるかもしれませんが、仏教で重んじる「実語」「愛語」という観点からは、捨てられるべき虚言です。

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