僧侶からお布施還元…葬儀会社など５億所得隠し（読売新聞）−Yahoo!ニュース
さて、最近、『読売新聞』の報道は、宗教的事象全般への無理解が酷く、中でも、「布施」への「無理解」は目を覆うばかりであります。とっくに落ちているのは分かっていましたが、大新聞もその看板を降ろす日が来たな、という感じです。
今回の同紙の報道で、「葬儀で僧侶が施主から受け取る「布施」を巡り、東京国税局などが首都圏を中心とした僧侶派遣会社や葬儀会社約１０社を一斉調査し、総額約５億円に上る所得隠しを指摘していたことがわかった」と報道されているのですが、今回問題になっているのは「布施」のことではなくて、複数の企業が結託しての「所得隠し」であります。
どういうことかといえば、まず所得隠しを指摘されたのは、僧侶派遣会社「グランド・レリジオン」（埼玉県川口市、登記上は東京都千代田区）と、葬儀会社「セクト」（千葉市）など約１０社に上っています。
そして、悪疾だなと思うのは、まず施主から葬儀を依頼されたセクトなどの葬儀会社が、グランド社に僧侶の派遣を依頼します。グランド社は宗派や日程、場所などを考慮し、「自社に登録する僧侶」（これも怪しいですけどね）を派遣していたそうです。
なお、僧侶は葬儀で施主から数万〜数十万円の布施を受け取ると、その一部を仲介手数料としてグランド社にバックしています。ここで、施主の想いを踏みにじっています。
また、グランド社はさらにその一部を紹介手数料やリベートとして葬儀会社に渡していたそうです。葬儀会社が受け取る手数料やリベートの相場はお布施の３割程度とされ、大きく収奪する葬儀屋の悪徳さが目立ちます。
なお、国税当局の調査で、グランド社は、僧侶から受け取った仲介料の一部を収入から除外し、葬儀会社への手数料やリベートに充てていたことが判明し、さらに同社では、社長の親族数人に支払った役員報酬も実態がないと判断するなど、計約２億円の所得隠しを指摘したそうです。
一方、葬儀会社側は、グランド社からの手数料を書留郵便で受け取ったり、別口座に送金させたりして収入から除外したそうで、中でもセクトは、手数料とは別にリベートとして約６年間で約３０００万円を簿外で受け取っていたそうです。
今回の調査で指摘された手数料やリベートに絡む葬儀会社分の所得隠しは、計約３億円とみられています。
グランド社の社長は「税務調査を受け、見解の相違はあったが、指導に従った。リベートは業界の慣習だが、最近は受け取らない葬儀会社も増えている」と説明しており、まぁ、反省の欠片もないような、脱税した人に共通する、「いつも通りの話」だったようです。
また、セクトの社長は「税務当局の指導に従った。お布施には不透明な部分があるのは事実」と話していますが、これはワケが分かりません。不透明にしてしまったのは、この結託した「企業連合体」であり、もし、寺院に布施が入る場合には、極めて明確であります。
それはどういうことかといえば、布施はその全額が寺院＝宗教法人に入ります。そして、ここには税金が発生しないのです。しかし、ここから寺院関係者である個人（住職や寺院関係者）が、所得を受け取った場合、その所得には、一般人と全く変わらない税率で、所得税や住民税、健康保険料、国民年金、その他が課税されます。
また、宗教法人に入った分も、決して自由に使えるお金ではないわけです。やっぱり、仏法僧の三宝に奉られた布施なんだから、仏さまにお使いしようと思うのが、僧侶としての「人情」でありますよ。ですが、今回の場合はどうでしょうかね？自称僧侶も、ちゃんと税金申告してたかな？その意味で、実はちゃんと寺院運営者として生きている人に対しては、「坊主丸儲け」は日本の税制上、既に完全な「死語」であります。もし、これを用いて我々真っ当な僧侶を中傷した場合、我々は恐らく、名誉毀損でその人を訴えることも可能だと思います。
ただ、今回の場合は、僧侶派遣会社や葬儀会社は、所属する「僧侶」（繰り返しますが、本物かどうかは不明）にバックさせたお布施の一部を収入から除外するなどして、私腹を肥やしていたわけです。しかも、その「額」を見てください。その辺の一寺院単位では想像も付かないほどの「多額」な収入です。
結局、葬儀社の利用者側からは、こういう「企業連合体」は見えず、表に出るのは僧侶だけなので、僧侶に批判が来るのかも知れませんが、本当に「悪い」のは一体誰なのか？よくよく見極めて欲しいところです。結局この「企業連合体」は、本当に「金儲け」のことばっかりなわけです。それが、顔だけは神妙にして葬儀に関わっている事実、拙僧にはどうにも解せません。
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さて、最近、『読売新聞』の報道は、宗教的事象全般への無理解が酷く、中でも、「布施」への「無理解」は目を覆うばかりであります。とっくに落ちているのは分かっていましたが、大新聞もその看板を降ろす日が来たな、という感じです。
今回の同紙の報道で、「葬儀で僧侶が施主から受け取る「布施」を巡り、東京国税局などが首都圏を中心とした僧侶派遣会社や葬儀会社約１０社を一斉調査し、総額約５億円に上る所得隠しを指摘していたことがわかった」と報道されているのですが、今回問題になっているのは「布施」のことではなくて、複数の企業が結託しての「所得隠し」であります。
どういうことかといえば、まず所得隠しを指摘されたのは、僧侶派遣会社「グランド・レリジオン」（埼玉県川口市、登記上は東京都千代田区）と、葬儀会社「セクト」（千葉市）など約１０社に上っています。
そして、悪疾だなと思うのは、まず施主から葬儀を依頼されたセクトなどの葬儀会社が、グランド社に僧侶の派遣を依頼します。グランド社は宗派や日程、場所などを考慮し、「自社に登録する僧侶」（これも怪しいですけどね）を派遣していたそうです。
なお、僧侶は葬儀で施主から数万〜数十万円の布施を受け取ると、その一部を仲介手数料としてグランド社にバックしています。ここで、施主の想いを踏みにじっています。
また、グランド社はさらにその一部を紹介手数料やリベートとして葬儀会社に渡していたそうです。葬儀会社が受け取る手数料やリベートの相場はお布施の３割程度とされ、大きく収奪する葬儀屋の悪徳さが目立ちます。
なお、国税当局の調査で、グランド社は、僧侶から受け取った仲介料の一部を収入から除外し、葬儀会社への手数料やリベートに充てていたことが判明し、さらに同社では、社長の親族数人に支払った役員報酬も実態がないと判断するなど、計約２億円の所得隠しを指摘したそうです。
一方、葬儀会社側は、グランド社からの手数料を書留郵便で受け取ったり、別口座に送金させたりして収入から除外したそうで、中でもセクトは、手数料とは別にリベートとして約６年間で約３０００万円を簿外で受け取っていたそうです。
今回の調査で指摘された手数料やリベートに絡む葬儀会社分の所得隠しは、計約３億円とみられています。
グランド社の社長は「税務調査を受け、見解の相違はあったが、指導に従った。リベートは業界の慣習だが、最近は受け取らない葬儀会社も増えている」と説明しており、まぁ、反省の欠片もないような、脱税した人に共通する、「いつも通りの話」だったようです。
また、セクトの社長は「税務当局の指導に従った。お布施には不透明な部分があるのは事実」と話していますが、これはワケが分かりません。不透明にしてしまったのは、この結託した「企業連合体」であり、もし、寺院に布施が入る場合には、極めて明確であります。
それはどういうことかといえば、布施はその全額が寺院＝宗教法人に入ります。そして、ここには税金が発生しないのです。しかし、ここから寺院関係者である個人（住職や寺院関係者）が、所得を受け取った場合、その所得には、一般人と全く変わらない税率で、所得税や住民税、健康保険料、国民年金、その他が課税されます。
また、宗教法人に入った分も、決して自由に使えるお金ではないわけです。やっぱり、仏法僧の三宝に奉られた布施なんだから、仏さまにお使いしようと思うのが、僧侶としての「人情」でありますよ。ですが、今回の場合はどうでしょうかね？自称僧侶も、ちゃんと税金申告してたかな？その意味で、実はちゃんと寺院運営者として生きている人に対しては、「坊主丸儲け」は日本の税制上、既に完全な「死語」であります。もし、これを用いて我々真っ当な僧侶を中傷した場合、我々は恐らく、名誉毀損でその人を訴えることも可能だと思います。
ただ、今回の場合は、僧侶派遣会社や葬儀会社は、所属する「僧侶」（繰り返しますが、本物かどうかは不明）にバックさせたお布施の一部を収入から除外するなどして、私腹を肥やしていたわけです。しかも、その「額」を見てください。その辺の一寺院単位では想像も付かないほどの「多額」な収入です。
結局、葬儀社の利用者側からは、こういう「企業連合体」は見えず、表に出るのは僧侶だけなので、僧侶に批判が来るのかも知れませんが、本当に「悪い」のは一体誰なのか？よくよく見極めて欲しいところです。結局この「企業連合体」は、本当に「金儲け」のことばっかりなわけです。それが、顔だけは神妙にして葬儀に関わっている事実、拙僧にはどうにも解せません。
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