良寛禅師一口戒語（その５９）

良寛さんが、たった一口で日常生活や仏道修行で足りないところを言い当てる、それがこの「一口戒語」。

こうぎのさた。

これは、以前も申し上げたような気がしますが、連載の底本にしている永久岳水先生編『良寛一口戒語』では、複数の写本・版本を合わせてしまっているので、こういうことが起きます。内容としては、「ご公儀」の「お沙汰」、つまりは、お上が裁判で決めたことについてあれこれ意見（異見）を述べることを批判したといえましょう。良寛さんは、自由闊達な精神を持っていたと思いますが、それは現代のような「権力への批判精神」としては使われていないのです。

無論、その善し悪しを判断することは許されておりません。今のような権力批判が、本当に善いのかどうかなんて、中々分からないものです。

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