エジプト・ムバラク大統領が辞任　３０年続いた長期政権に幕

ムバラク氏が辞任、軍が全権掌握（産経新聞）−Yahoo!ニュース

エジプトのスレイマン副大統領がテレビ演説にて、同国を約３０年にわたって統治してきたムバラク大統領が辞任したと発表しています。

ただ、これによって、軍の最高幹部会議が国家の全権を掌握するようです。一時的なのか、それとも軍部の暴走によって長期化するのか分からないのですが、次の政権に橋渡しするための軍事政権に移行するようです。

なお、この前に、ムバラク大統領が首都のカイロを出て、東部シナイ半島の保養地、シャルムエルシェイクに滞在しているという報道もあるようで、カイロから脱出したようですね。

結局、北アフリカの政変連鎖といったところですね。チュニジアで１月に起きた民衆蜂起による政変がエジプトにも飛び火、わずか１か月でこの事態とは・・・ムバラク氏の退陣を求める大規模な反政府デモによって、ムバラク氏は次の大統領選への不出馬を表明する一方、即時退陣は拒否していましたが、辞任圧力に抗しきれなかったということです。

アフリカと中東とをつなぐ位置にあって、地域大国であるエジプトの政権崩壊は他のアラブ諸国にも大きな影響を与えそうです。

治安維持を担っている軍部は１１日、声明を発表し、権限移譲などムバラク大統領の民主化努力を支持し、憲法改正後の自由で公正な大統領選挙実施を保証すると述べています。この言葉が、粛々と実行されることを願って止みません。多分、隣国の政変に不安を感じているこの国もそうでしょう。

円滑な権力移行を＝イスラエル（時事通信）

ムバラク・エジプト大統領の辞任表明を受け、イスラエル政府当局者はエジプトの権力移行が円滑に行われるよう希望すると述べたようですね。そりゃそうでしょう。ムバラク氏によって、平和が作られたようなものでしたから。

でも、どうなんでしょうかね。今後のエジプトは、中東は、アフリカは・・・歴史は動いています。実は、常に動いています。我々はそれが、巨大なイベントを通してでないと自覚出来ませんが、実際には動き続けているのです。ただ、それを善と採るか、悪と採るか、それこそが我々の分別心というものです。今回の一件も、どうなるか。歴史に「変化」ばかりを求める人がいます。しかし、急激な「変化」など望まなくても、動き続けるのが歴史です。そして、「変化」ばかりを求める人は、その後を考慮しません。それは、無責任でありましょう。今の日本の状況を見ていると、そんな感じですな。エジプトはそうはならないで欲しいものです。

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