「国民に心から感謝」と天皇陛下 皇居で退位礼、最後のお言葉(共同通信)
天皇陛下は30日夕、皇居・宮殿「松の間」で、代替わりの重要儀式「退位礼正殿の儀」に臨まれました。85歳の陛下は在位中最後のお言葉で「支えてくれた国民に、心から感謝します」と述べられました。
象徴のあるべき姿を追求し続けた陛下はこの日限りで退位し、5月1日に59歳の皇太子さまが新天皇に即位されます。30年余りの「平成」が幕を閉じ「令和」に改元されることになります。
なお、天皇陛下の退位は、江戸時代の光格天皇以来202年ぶりで、憲政史上では初めてとなります。
儀式は無事に終わり、前の天皇陛下は上皇となられました。30年に及ぶ象徴としてのお勤め、大変にありがとうございました。
さて、そのような日に、拙僧は勝手に平成時代の宗教を振り返ってみたいと思います。なお、平成とは西暦に換算すると「1989年1月8日から2019年4月30日となります。1年に1つくらいの有名な事件を採り上げてみたいと思いますが、選択基準は拙僧の勝手な評価なので、内容に納得出来なくても悪しからず。
・1989年(平成元) オウム真理教が東京都から宗教法人として認証される(8月)
・1990年(平成2) オウム真理教が衆議院選挙で全員落選(2月)
・1991年(平成3) 幸福の科学による講談社フライデー抗議事件(9月)
・1992年(平成4) エホバの証人輸血拒否事件(7月)
・1993年(平成5) アメリカテキサス州でブランチ・ダビディアン事件(4月)
・1994年(平成6) オウム真理教による松本サリン事件(6月)
・1995年(平成7) オウム真理教による地下鉄サリン事件・山梨県上九一色村で強制捜査(3~5月)
・1996年(平成8) オウム真理教の解散命令が確定(1月)
・1997年(平成9) アメリカカリフォルニア州でヘヴンズ・ゲート集団自殺事件(3月)
・1998年(平成10) インドでヒンドゥー至上主義の連立政権成立(3月)
・1999年(平成11) ライフスペースによる成田ミイラ化遺体事件(11月)
・2000年(平成12) 法の華三法行教祖の福永法源を逮捕(5月)
・2001年(平成13) アメリカ同時多発テロ事件(9月)
・2002年(平成14) 和歌山地裁が霊感商法の明覚寺に解散命令確定の判決(1月)
・2003年(平成15) 岐阜県内の林道をパナウェーブ研究所が不法占拠(4~5月)
・2004年(平成16) 小泉純一郎首相(当時)が靖国神社を元旦に参拝(1月)
・2005年(平成17) 聖神中央教会による女性への性的暴行事件発覚(4月)・つらつら日暮らし開始(2月)
・2006年(平成18) オウム真理教の後継団体アーレフから上祐派が分離し「ひかりの輪」設立(7月)
・2007年(平成19) 長野県内の「紀元会」で信者を殺害したとして女性21人を逮捕(10月)
・2008年(平成20) アメリカのオークションで運慶作の大日如来座像を真如苑が約13億円で落札(3月)
・2009年(平成21) 幸福の科学が幸福実現党を結成(5月)
・2010年(平成22) イオンが僧侶派遣業に参入し全日本仏教会などが抗議(5月)
・2011年(平成23) 東日本大震災が発災、東北地方各地火葬の実施で混乱(3月)
・2012年(平成24) 臨床宗教師育成を目指す「実践宗教学寄付講座」が東北大学に設置される(4月)
・2013年(平成25) 伊勢神宮と出雲大社で同年の遷宮(10月と5月)
・2014年(平成26) イスラム国のバグダーディー容疑者が「カリフ」を自称(6月)
・2015年(平成27) 世界基督教統一神霊協会(統一教会)が名称を「世界平和統一家庭連合」に変更
・2016年(平成28) 韓国の宗教団体「韓国天父教伝道館復興協会」が所有する山林で1000体を超える遺体発見(11月)
・2017年(平成29) マルティン=ルターによる宗教改革500年(10月)
・2018年(平成30) 法相宗大本山興福寺の中金堂が約300年ぶりに再建される(10月)
・2019年(平成31) フランス・パリのノートルダム寺院で大火災(4月)
まずは、以上といたします。調べ方が「○○年 宗教 事件」だったのが悪かったのかもしれませんが、いきなりオウム真理教のことが出て来てしまいました。ただし、拙僧自身が宗教全般に対して研究しなくてはならないと思った理由の一つには、オウム真理教事件があったのも事実ですので、そのまま記載いたしました。上記内容で、宗教・カルト関連の事件で挙げるのに困ったのは、1998年と2004年くらいであり、他は(残念ながらというべきでしょうが)毎年何かしらの事件が発生しておりました。
「平成」という括りでは分かりにくいですが、実際には平成12年に西暦2000年となり、いわゆる「世紀末」が強く意識される状況で開始された時代でした。そのため、日本に限らず世界各地で世紀末と終末とを重ねるような思想を持つ団体が発生し、その関係で起きた事件が多数発生した時代であったと思います。或いは、日本だけであれば、「ノストラダムスの大予言」なども影響したことでしょう。
しかし、そのような「世紀末」は何事も無く経過し、21世紀を迎えたわけです。ただし、日本にとっては厳しい21世紀でした。1995年の阪神・淡路大震災を期に日本各地では大地震が多数発生し、中でも最大の死者数となった東日本大震災は宗教や供養のあり方を問い直すこととなりました。
それから、21世紀はイスラームと西洋国家との対立が激しくなった時代ともいえます。その最たるものが、イスラム国だといえましょう。シリア・イラク両国内で一時は大きな勢力範囲を得ましたが、ここに来て国家としての実態は既に失われております。しかし、先日のスリランカ国内でのテロ事件を見るように、思想と経済援助とで世界各地の人々と繋がることは、脅威でしかないといえましょう。
また、21世紀の宗教の傾向としては、一段と霊感商法が酷くなり、様々な団体が摘発されるに至りました。しかし、一定の判例も積み重なっており、警察・検察も検挙しやすくなってきたとも思われます。今後も、同様の団体には要注意であるといえましょう。
後は、葬儀の「市場化」の問題は、今後もなお強まっていくと思われます。イオンを始め、多くの企業が参入を表明し、本来は「お気持ち」で行われるべき供養が金銭に変換されていく問題は、実際のところ人の心をますます蝕んでいくように思います。無論、そこには「戒名料」問題を解決できなかった仏教者の問題もあると思います。ただし、それは葬儀に頼らない寺院運営の姿を確定できなかったことを意味し、これは僧侶や寺院側の問題だけに止まらず、日本社会全体で共有されるべき問題です。
拙僧的にはこの葬儀の市場化の問題には、世代として信心を持てなかった「団塊の世代」の問題があると思います。彼等の不信心ぶりは驚くべきものです。団塊の世代が社会の第一線から退くまで、不信心な世代が社会の中心にいたことは、決して幸福ではない社会のあり方を決めてしまったといえましょう。
他には、ロスジェネ世代の宗教観などを考えねばなりませんが、それは「令和」において検討されるべきでしょう。拙僧の勝手な振り返りは以上までにしたいと思います。
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天皇陛下は30日夕、皇居・宮殿「松の間」で、代替わりの重要儀式「退位礼正殿の儀」に臨まれました。85歳の陛下は在位中最後のお言葉で「支えてくれた国民に、心から感謝します」と述べられました。
象徴のあるべき姿を追求し続けた陛下はこの日限りで退位し、5月1日に59歳の皇太子さまが新天皇に即位されます。30年余りの「平成」が幕を閉じ「令和」に改元されることになります。
なお、天皇陛下の退位は、江戸時代の光格天皇以来202年ぶりで、憲政史上では初めてとなります。
儀式は無事に終わり、前の天皇陛下は上皇となられました。30年に及ぶ象徴としてのお勤め、大変にありがとうございました。
さて、そのような日に、拙僧は勝手に平成時代の宗教を振り返ってみたいと思います。なお、平成とは西暦に換算すると「1989年1月8日から2019年4月30日となります。1年に1つくらいの有名な事件を採り上げてみたいと思いますが、選択基準は拙僧の勝手な評価なので、内容に納得出来なくても悪しからず。
・1989年(平成元) オウム真理教が東京都から宗教法人として認証される(8月)
・1990年(平成2) オウム真理教が衆議院選挙で全員落選(2月)
・1991年(平成3) 幸福の科学による講談社フライデー抗議事件(9月)
・1992年(平成4) エホバの証人輸血拒否事件(7月)
・1993年(平成5) アメリカテキサス州でブランチ・ダビディアン事件(4月)
・1994年(平成6) オウム真理教による松本サリン事件(6月)
・1995年(平成7) オウム真理教による地下鉄サリン事件・山梨県上九一色村で強制捜査(3~5月)
・1996年(平成8) オウム真理教の解散命令が確定(1月)
・1997年(平成9) アメリカカリフォルニア州でヘヴンズ・ゲート集団自殺事件(3月)
・1998年(平成10) インドでヒンドゥー至上主義の連立政権成立(3月)
・1999年(平成11) ライフスペースによる成田ミイラ化遺体事件(11月)
・2000年(平成12) 法の華三法行教祖の福永法源を逮捕(5月)
・2001年(平成13) アメリカ同時多発テロ事件(9月)
・2002年(平成14) 和歌山地裁が霊感商法の明覚寺に解散命令確定の判決(1月)
・2003年(平成15) 岐阜県内の林道をパナウェーブ研究所が不法占拠(4~5月)
・2004年(平成16) 小泉純一郎首相(当時)が靖国神社を元旦に参拝(1月)
・2005年(平成17) 聖神中央教会による女性への性的暴行事件発覚(4月)・つらつら日暮らし開始(2月)
・2006年(平成18) オウム真理教の後継団体アーレフから上祐派が分離し「ひかりの輪」設立(7月)
・2007年(平成19) 長野県内の「紀元会」で信者を殺害したとして女性21人を逮捕(10月)
・2008年(平成20) アメリカのオークションで運慶作の大日如来座像を真如苑が約13億円で落札(3月)
・2009年(平成21) 幸福の科学が幸福実現党を結成(5月)
・2010年(平成22) イオンが僧侶派遣業に参入し全日本仏教会などが抗議(5月)
・2011年(平成23) 東日本大震災が発災、東北地方各地火葬の実施で混乱(3月)
・2012年(平成24) 臨床宗教師育成を目指す「実践宗教学寄付講座」が東北大学に設置される(4月)
・2013年(平成25) 伊勢神宮と出雲大社で同年の遷宮(10月と5月)
・2014年(平成26) イスラム国のバグダーディー容疑者が「カリフ」を自称(6月)
・2015年(平成27) 世界基督教統一神霊協会(統一教会)が名称を「世界平和統一家庭連合」に変更
・2016年(平成28) 韓国の宗教団体「韓国天父教伝道館復興協会」が所有する山林で1000体を超える遺体発見(11月)
・2017年(平成29) マルティン=ルターによる宗教改革500年(10月)
・2018年(平成30) 法相宗大本山興福寺の中金堂が約300年ぶりに再建される(10月)
・2019年(平成31) フランス・パリのノートルダム寺院で大火災(4月)
まずは、以上といたします。調べ方が「○○年 宗教 事件」だったのが悪かったのかもしれませんが、いきなりオウム真理教のことが出て来てしまいました。ただし、拙僧自身が宗教全般に対して研究しなくてはならないと思った理由の一つには、オウム真理教事件があったのも事実ですので、そのまま記載いたしました。上記内容で、宗教・カルト関連の事件で挙げるのに困ったのは、1998年と2004年くらいであり、他は(残念ながらというべきでしょうが)毎年何かしらの事件が発生しておりました。
「平成」という括りでは分かりにくいですが、実際には平成12年に西暦2000年となり、いわゆる「世紀末」が強く意識される状況で開始された時代でした。そのため、日本に限らず世界各地で世紀末と終末とを重ねるような思想を持つ団体が発生し、その関係で起きた事件が多数発生した時代であったと思います。或いは、日本だけであれば、「ノストラダムスの大予言」なども影響したことでしょう。
しかし、そのような「世紀末」は何事も無く経過し、21世紀を迎えたわけです。ただし、日本にとっては厳しい21世紀でした。1995年の阪神・淡路大震災を期に日本各地では大地震が多数発生し、中でも最大の死者数となった東日本大震災は宗教や供養のあり方を問い直すこととなりました。
それから、21世紀はイスラームと西洋国家との対立が激しくなった時代ともいえます。その最たるものが、イスラム国だといえましょう。シリア・イラク両国内で一時は大きな勢力範囲を得ましたが、ここに来て国家としての実態は既に失われております。しかし、先日のスリランカ国内でのテロ事件を見るように、思想と経済援助とで世界各地の人々と繋がることは、脅威でしかないといえましょう。
また、21世紀の宗教の傾向としては、一段と霊感商法が酷くなり、様々な団体が摘発されるに至りました。しかし、一定の判例も積み重なっており、警察・検察も検挙しやすくなってきたとも思われます。今後も、同様の団体には要注意であるといえましょう。
後は、葬儀の「市場化」の問題は、今後もなお強まっていくと思われます。イオンを始め、多くの企業が参入を表明し、本来は「お気持ち」で行われるべき供養が金銭に変換されていく問題は、実際のところ人の心をますます蝕んでいくように思います。無論、そこには「戒名料」問題を解決できなかった仏教者の問題もあると思います。ただし、それは葬儀に頼らない寺院運営の姿を確定できなかったことを意味し、これは僧侶や寺院側の問題だけに止まらず、日本社会全体で共有されるべき問題です。
拙僧的にはこの葬儀の市場化の問題には、世代として信心を持てなかった「団塊の世代」の問題があると思います。彼等の不信心ぶりは驚くべきものです。団塊の世代が社会の第一線から退くまで、不信心な世代が社会の中心にいたことは、決して幸福ではない社会のあり方を決めてしまったといえましょう。
他には、ロスジェネ世代の宗教観などを考えねばなりませんが、それは「令和」において検討されるべきでしょう。拙僧の勝手な振り返りは以上までにしたいと思います。
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