Quantcast
Viewing all articles
Browse latest Browse all 15765

今日9月1日は「防災の日」です

今日9月1日は防災の日です。

この9月1日の日付は、90年前の1923年(大正12年)9月1日に発生した関東大震災にちなんだもので、1960年に定められました。そこで、「政府、地方公共団体等関係諸機関をはじめ、広く国民が台風高潮、津波、地震等の災害についての認識を深め、これに対処する心構えを準備する」とされているようです。

我々は、1年半前の2011年3月11日に東日本大震災も経験しています。防災への関心の高まりは、常に忘れてはならないことだと思います。よって、様々な場面で、それは実践されるべきでしょう。今日は日曜日で休日なので、家族みんなで、いざというときの避難方法や、防災グッズ等の確認をしていただくのが良いでしょう。

そしてもう一つ。拙僧的には、仏教的防災法も確認しておきたいところです。

 特に三宝の境界を祈誓し、専ら三業の白善を修習す。
 某寺の禅侶、六百軸の真文を信読し奉り、薩埵波倫の極信心を覚り、
 仰いで広く、般若十六会の一切三宝・極安世界等の十方三宝、本尊界会観自在尊・廿八部衆、びに信心施主、某甲及び子息某甲等、本命元辰の一切星宿、十六善神等の護法竜天、三界万霊の天神地祇、六十余州裏の三千余座、当道前後の鎮守、仏法大棟梁白山権現、当国応現某明神、当庄惣社別社部類眷属、及至、守宮道神等に供養す。
 各おの威光を増加し、衆生を利済し、仏道に入らしむ。
 右、伏して以れば、惣持の明咒は、能く一切の災難を除き、般若の智火は、速かに無量の煩悩を焼く。
    『瑩山清規』「大般若結願疏」抄録

曹洞宗に於ける御祈祷で最大の法要が、「転読大般若」とされています。その時に用いられる「疏」というお唱え事なのですが、その一部を掲載してみました。内容的には、僧侶が「六百軸の真文」を真読し、仏法僧の三宝を始めとして、諸神などを広く供養し、そして、その三宝・諸神が威光を増加して、衆生を仏道に入らせてくれるというのです。

これはどういうことかといえば、この「大般若会」で唱えられる『消災呪』などの「陀羅尼=総持の明呪」は、一切の災難を除くとされます。そして、真読される『大般若経』に書かれる「般若の智火」が速やかに無量の煩悩を焼いて、仏道に入らせてくれるのです。

さて、ここでいう防災法とは、改めて祈りの力を信じることにあります。しかし、我々は祈りを行うと、その結果を無闇に求めます。ところが、それは拙僧が批判するところの、「しがみつく信仰」であります。むしろ、この「祈り」を通して、その時に我々の心を浄め、そして、「おまかせの信仰」に移行するところが肝心です。この「おまかせ」の想いが、いざというときの災難に、柔らかく対応させてくれるのです。

実際の防災・減災のための設備充実は必要なことです。しかし、いくらハード的に充実していても、災難に遭う当事者になるかもしれない我々の心を柔らかくしていなければ、意味がありません。そのような時、我々は「祈り」という力を用いてみるのも良いと思いますが、如何でしょうか。ただですら、三宝・諸神に祈るので、その加護もあります。同時に我々の心も清まり、智慧を得ることも可能だと思います。

「防災の日」に因んだ、防災への取り組みは、熱心に行われるべきでありましょう。それは、物心両面に及ぶべきだと思われます。

この記事を評価して下さった方は、Image may be NSFW.
Clik here to view.
にほんブログ村 哲学ブログ 仏教へ
にほんブログ村 仏教を1日1回押していただければ幸いです(反応が無い方は[Ctrl]キーを押しながら再度押していただければ幸いです)。

これまでの読み切りモノ〈仏教12〉は【ブログ内リンク】からどうぞ。

Viewing all articles
Browse latest Browse all 15765

Trending Articles