【前回】の答えですが、問1:けさ(袈裟)。問2:経。問3:ついがさね(お膳の一種。「三方」などが該当します)。以上です。どうでしたか?解けましたか?
さて、鈴木棠三氏編『中世なぞなぞ集』(岩波文庫)を入手したので、それから適宜「仏教に関わるなぞなぞ」を採り上げて、見ていきたいと思います。なお、解答については、もしコメント欄で正解をお寄せいただいた場合には、正答と申し上げますし、コメント投稿が無い、もしくは正解者がいない場合には、次回連載記事に掲載しますので、挑戦してみてください。
記事は、「問い」と、編者の鈴木氏による解説を部分的に紹介(全てを紹介すると、分かっちゃうのでそれはしません)し、後は拙僧自身のヒントを掲載したいと思います。解説やヒントを見たくない人のために、反転文字(反転文字←読みたい人は、空白の部分をマウスで範囲指定してください)にしておきます(携帯電話には未対応です)。
今日は連載4回目ですが、前回は「答えが仏教語」でしたが、今回は「問題または答えが仏教語関連」であるなぞなぞを出してみたいと思います。
問1:えんの下のばうず
解説:いろは歌で「けふこえて」、「つねならむうゐの」だから、テウ。坊主を師と解くのは、中世なぞの常套手法。
ヒント:「え」の下。「む」の下。そして、「ばうず」=坊主=師。つまり、答えは「お酒」に纏わるものですよ。
問2:空(くう)に入て上を飛去は列子がのり物
解説:列子は道家で、時代的には孔子と荘子との中間に出た。〈中略〉解、列子の乗り物は風。クウにカセが入ると、クカセウ。その上が飛去ればカセウ。
ヒント:我々曹洞宗の僧侶であれば、毎日お唱えしているあのお祖師様のお名前です。釈尊十大弟子の1人。頭陀第一。
問3:山はまさり園城寺ハおとりむしゃハなきがゆへ也
解説:山は比叡山。これに対し園城寺(通称三井寺)を寺と呼ぶ。両者は長い時代にわたって対立抗争したが、武力では山がまさり、園城寺は一再ならず敗れて、堂舎を焼かれた。解は、ヤマのマを去り、オンジヤウジから、オを取り(劣り)、さらにム(ン)シヤを消すと「●●●(答え)」になる。
ヒント:なぞなぞ本文を漢字に直すと「山は勝り、園城寺は劣り。武者は無きが故なり」となります。なお、この答えですけど、答えもまた、我々曹洞宗の僧侶には馴染みの深いものです。『正法眼蔵』「洗面」巻などを参照したいですね。
ということで、毎回3問くらい出していこうと思いますけど、是非是非頭をフル回転してみてください。今時の「クイズ」とも違うので難しいと思いますけど、これはこれで楽しいですよ。そういえば、この岩波文庫本巻末に収録されている「解説」を見ると、この「なぞなぞ」ですが、平安時代の用例では「謎物語」などと呼ばれていたそうです。「物語」とあるように、本来は遊びとしての「謎かけ」ではなくて、幼い者に文芸関係の常識となる知識や、故事などを教えるための形式だったと考えられているそうです。その中で、子供に対して、「それは何故だろう?」「何だろう?」という問いかけで始まるものが「謎物語」だったということです。
今回それを知ったので、「エクササイズ」なんていうタイトルにしたわけです。
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問1:えんの下のばうず
解説:いろは歌で「けふこえて」、「つねならむうゐの」だから、テウ。坊主を師と解くのは、中世なぞの常套手法。
ヒント:「え」の下。「む」の下。そして、「ばうず」=坊主=師。つまり、答えは「お酒」に纏わるものですよ。
問2:空(くう)に入て上を飛去は列子がのり物
解説:列子は道家で、時代的には孔子と荘子との中間に出た。〈中略〉解、列子の乗り物は風。クウにカセが入ると、クカセウ。その上が飛去ればカセウ。
ヒント:我々曹洞宗の僧侶であれば、毎日お唱えしているあのお祖師様のお名前です。釈尊十大弟子の1人。頭陀第一。
問3:山はまさり園城寺ハおとりむしゃハなきがゆへ也
解説:山は比叡山。これに対し園城寺(通称三井寺)を寺と呼ぶ。両者は長い時代にわたって対立抗争したが、武力では山がまさり、園城寺は一再ならず敗れて、堂舎を焼かれた。解は、ヤマのマを去り、オンジヤウジから、オを取り(劣り)、さらにム(ン)シヤを消すと「●●●(答え)」になる。
ヒント:なぞなぞ本文を漢字に直すと「山は勝り、園城寺は劣り。武者は無きが故なり」となります。なお、この答えですけど、答えもまた、我々曹洞宗の僧侶には馴染みの深いものです。『正法眼蔵』「洗面」巻などを参照したいですね。
ということで、毎回3問くらい出していこうと思いますけど、是非是非頭をフル回転してみてください。今時の「クイズ」とも違うので難しいと思いますけど、これはこれで楽しいですよ。そういえば、この岩波文庫本巻末に収録されている「解説」を見ると、この「なぞなぞ」ですが、平安時代の用例では「謎物語」などと呼ばれていたそうです。「物語」とあるように、本来は遊びとしての「謎かけ」ではなくて、幼い者に文芸関係の常識となる知識や、故事などを教えるための形式だったと考えられているそうです。その中で、子供に対して、「それは何故だろう?」「何だろう?」という問いかけで始まるものが「謎物語」だったということです。
今回それを知ったので、「エクササイズ」なんていうタイトルにしたわけです。
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