丸谷才一さん死去、87歳…代表作「女ざかり」(YomiuriOnline)
現代風俗を描いた「市民小説」で知られる作家で 代表作として「たった一人の反乱」「女ざかり」などが知られる、丸谷才一(まるや・さいいち、本名・根村才一=ねむら・さいいち)さんが、東京都内の病院で心不全のため死去したそうです。87歳でした。
丸谷さんは1925年、山形県生まれで、東大英文科を卒業後、大学の教員をしながら60年に「エホバの顔を避けて」で作家デビューしました。徴兵忌避をテーマにした「笹まくら」を経て、68年に「年の残り」で芥川賞を受賞しています。
報道では、誠実さ、深刻さこそ真実とされてきた「私小説」に象徴される日本の文学的風土に反発し、ジェイムズ・ジョイス著「ユリシーズ」を共訳し、20世紀の西欧現代文学の方法を生かした長編小説を執筆したとのことです。
また、72年に「たった一人の反乱」で谷崎潤一郎賞、88年に短編「樹影譚(たん)」で川端康成文学賞を受賞し、源氏物語の幻の一帖を題材にした「輝く日の宮」で2003年の泉鏡花文学賞などを受けています。2011年には文化勲章を受賞し、芥川賞、谷崎賞など多くの文学賞の選考委員も務めています。
拙僧的に最後に読んだ文章が、定期購読している岩波書店の販促雑誌『図書』の2012年2月号の記事でしょうか。丸谷さんは「無地のネクタイ」というエッセイを連載していて、その21番目が同号でございました。題は「東京クヮルテットに感謝しよう」というもので、東京という名前のせいで誤解されがちですが、ニューヨークにある弦楽四重奏団だそうです。それで、このエッセイで何をいっているかといえば、この合奏団のおかげで、日本の首都・東京は、全世界に名前を売ってもらっているのに、これまで何の恩返しもしていないから、メンバー全員を名誉都民とし、年金を贈ったらどうか?としています。ついでに、弦楽四重奏用のコンサートホールを建てるべきだとも主張しています。返す刀で、オリンピック開催よりも安上がりとかしているので、主眼はその辺にあったのかな?
書棚を漁っていたら、中公文庫から出た丸谷さんの『文章読本』が出てきました。この本の思い出は、第一章で谷崎潤一郎の『文章讀本』について、手の込んだ毀誉褒貶を与えていることでしょうか。結局、褒めているのか?貶しているのか?よく分からないというのが、面白いところです。とはいえ、自分でも『文章読本』を書いたということは、やっぱり、気に入らなかったのでしょうな。
それで、第二章で「文章上達の秘訣」として丸谷さんが示したのが、「名文を読め」というので、伝統的な古典に学ぶところが大きいとしています。正直、素人は、何が名文なのか、それを判断することが難しいと思ったというのが、この本を初めて読んだ時の感想だったようです。本に書き込みがしてありました。拙僧、相当、斜めに読んでいますね。
ということで、末筆ながら謹んで哀悼の意を表します。合掌
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現代風俗を描いた「市民小説」で知られる作家で 代表作として「たった一人の反乱」「女ざかり」などが知られる、丸谷才一(まるや・さいいち、本名・根村才一=ねむら・さいいち)さんが、東京都内の病院で心不全のため死去したそうです。87歳でした。
丸谷さんは1925年、山形県生まれで、東大英文科を卒業後、大学の教員をしながら60年に「エホバの顔を避けて」で作家デビューしました。徴兵忌避をテーマにした「笹まくら」を経て、68年に「年の残り」で芥川賞を受賞しています。
報道では、誠実さ、深刻さこそ真実とされてきた「私小説」に象徴される日本の文学的風土に反発し、ジェイムズ・ジョイス著「ユリシーズ」を共訳し、20世紀の西欧現代文学の方法を生かした長編小説を執筆したとのことです。
また、72年に「たった一人の反乱」で谷崎潤一郎賞、88年に短編「樹影譚(たん)」で川端康成文学賞を受賞し、源氏物語の幻の一帖を題材にした「輝く日の宮」で2003年の泉鏡花文学賞などを受けています。2011年には文化勲章を受賞し、芥川賞、谷崎賞など多くの文学賞の選考委員も務めています。
拙僧的に最後に読んだ文章が、定期購読している岩波書店の販促雑誌『図書』の2012年2月号の記事でしょうか。丸谷さんは「無地のネクタイ」というエッセイを連載していて、その21番目が同号でございました。題は「東京クヮルテットに感謝しよう」というもので、東京という名前のせいで誤解されがちですが、ニューヨークにある弦楽四重奏団だそうです。それで、このエッセイで何をいっているかといえば、この合奏団のおかげで、日本の首都・東京は、全世界に名前を売ってもらっているのに、これまで何の恩返しもしていないから、メンバー全員を名誉都民とし、年金を贈ったらどうか?としています。ついでに、弦楽四重奏用のコンサートホールを建てるべきだとも主張しています。返す刀で、オリンピック開催よりも安上がりとかしているので、主眼はその辺にあったのかな?
書棚を漁っていたら、中公文庫から出た丸谷さんの『文章読本』が出てきました。この本の思い出は、第一章で谷崎潤一郎の『文章讀本』について、手の込んだ毀誉褒貶を与えていることでしょうか。結局、褒めているのか?貶しているのか?よく分からないというのが、面白いところです。とはいえ、自分でも『文章読本』を書いたということは、やっぱり、気に入らなかったのでしょうな。
それで、第二章で「文章上達の秘訣」として丸谷さんが示したのが、「名文を読め」というので、伝統的な古典に学ぶところが大きいとしています。正直、素人は、何が名文なのか、それを判断することが難しいと思ったというのが、この本を初めて読んだ時の感想だったようです。本に書き込みがしてありました。拙僧、相当、斜めに読んでいますね。
ということで、末筆ながら謹んで哀悼の意を表します。合掌
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